誕生日の前の晩、メッセージの入力欄に「誕生日おめでとう」と打ってみる。それだけだと少しそっけない気がして、何か足そうとすると、今度は言葉がうまく出てきません。去年と同じ文面になりそうで、送信ボタンの手前で止まってしまう。そんなときは、気の利いた言葉を探すより、この一年で彼がしてくれたことを一つ思い出すところから始めると、メッセージは書きやすくなります。

この記事でいっしょに考えること

彼氏への誕生日メッセージを、自分の言葉で書くための順番と例文を紹介します。

  • 誕生日メッセージには、何を書けばいいのか
  • 一言で送るとき、数行で送るときは、どう書くのか
  • 感謝を書くのが照れくさいときは、どう考えればいいのか
  • カードで渡すとき、送るタイミングに迷うときはどうするか

彼氏への誕生日メッセージには、何を書けばいい?

彼氏への誕生日メッセージは、「おめでとう」のあとに、この一年で彼がしてくれたことを一つと、それへの「ありがとう」を添えると、短くても二人らしい内容になります。

誕生日のメッセージで迷うのは、お祝いの言葉そのものより、そのあとに何を続けるかのほうかもしれません。「素敵な一年になりますように」のような言葉も温かいのですが、誰に送っても成り立つぶん、読み手には少し遠く感じられることがあります。

そこで、次の順番で組み立ててみます。

  1. 「誕生日おめでとう」
  2. この一年で、彼がしてくれたことを一つ
  3. それへの「ありがとう」
  4. これからの願いを一言(なくても構いません)

二つ目の出来事は、特別な旅行でなくて大丈夫です。忙しい週に夕飯を作ってくれたこと、落ち込んでいた日に話を聞いてくれたこと。そうした日常の一場面のほうが、「ちゃんと見ていてくれた」と伝わりやすいかもしれません。

出来事が思い浮かばないときは、スマートフォンの写真やメッセージの履歴を、この一年分さかのぼってみるのも一つの方法です。

四つ目の願いは、「これからもずっと一緒にいてね」のような大きな約束より、「来年も一緒にケーキを食べたい」のような小さな願いのほうが、受け取る側も気負わずに読めます。

朝の淡い木のテーブルに、白い皿にのった小さな丸いケーキが一つ置かれ、その横に白紙の二つ折りカードと藍色のペンが添えられている。奥には白いティーカップがあり、窓からやわらかな光が差している

一言で送るとき、数行で送るときは、どう書く?

一言で送るなら「おめでとう」と出来事を一文でつなげ、数行で送るなら出来事・ありがとう・願いを一行ずつ置くと、長さに合わせて無理なく書けます。

ここでは、長さ別に例を並べます(どれも私たちが考えた例です)。出来事の部分を、二人のあいだに本当にあったことへ差し替えて使ってください。

一言で送るとき

  • 誕生日おめでとう。疲れていた日に、黙って洗い物をしてくれてありがとう。
  • おめでとう! この一年、帰りが遅い日も駅まで迎えに来てくれて、本当に助かりました。

数行で送るとき

誕生日おめでとう。
春に風邪をひいたとき、仕事帰りにゼリーを買ってきてくれたこと、今でも覚えてるよ。
あのとき、すごくほっとしました。ありがとう。
来年の誕生日も、一緒にケーキを食べられたら嬉しいな。

数行のメッセージでも、出来事は一つで十分です。思い出を全部並べたくなったら、いちばん最初に浮かんだものを選んでください。一つの場面を少し丁寧に書くほうが、読み返したときに、その日の空気まで思い出しやすくなります。

絵文字やスタンプは、ふだんのやり取りで使っているなら、そのまま使って構いません。誕生日だからと急に改まった文体にすると、かえって照れくささが増すこともあります。いつもの話し方に、出来事とありがとうを一つ足す。それくらいの変化で、ふだんのメッセージとは違う一通になります。

夜の窓辺に置かれた藍色のマグカップと、伏せて置かれたスマートフォン。そばに小さなリボン付きの白い箱があり、窓の外には街の灯りがにじんでいる

感謝を書くのが照れくさいときは?

感謝を書くのが照れくさいと感じるのは自然なことです。ただ、伝える側は相手の嬉しさを低く、気まずさを高く見積もりやすいことが研究で報告されています。照れくさいときほど、うまい言葉を探さず、一行だけ書き添える形から始めてみてください。

付き合いが長くなるほど、改まって「ありがとう」と書くのは、少し気恥ずかしく感じられるものです。「急にどうしたの」と思われないか、重く受け取られないか。そう考えて、結局いつもの「おめでとう」だけを送る人もいるでしょう。

心理学には、「感謝の過小評価(undervaluing gratitude:感謝を伝える側が、相手がどれだけ嬉しいかを低く、どれだけ気まずいかを高く見積もりやすいこと)」と呼ばれる傾向があります。

この傾向を調べた研究では、参加者に、感謝している誰かへ手紙を書いてもらいました[^1]。そして、受け取った相手がどう感じるかを、書いた本人に予想してもらっています。

受け取った人の実際の報告と比べると、書いた人は、相手の前向きな気持ちを低く、気まずさを高く見積もっていました。気まずさの見積もりは、感謝を伝えようとする気持ちとも関係していたと報告されています。

ただし、手紙の相手は恋人に限らず、「彼氏は必ず喜ぶ」と確かめられたわけではありません。受け取り方は人によって違います。

それでも、照れくささの一部は、自分の側の見積もりから来ているのかもしれません。今日できる一歩として、誕生日メッセージの下書きに、「この一年で助かったこと」を一行だけ書き足してみてください。うまい言い回しは要りません。「あのときの〇〇、助かった。ありがとう」で十分です。

照れくさくて言葉にしにくい日の工夫は、「ありがとう」が照れくさくて言えない人へでも紹介しています。

白いテーブルの上で、片手が藍色のペンを持ち、白紙の小さなカードに書き出そうとしている。カードの横には細いリボンが一本、ゆるく置かれている

カードで渡すときや、送るタイミングに迷うときは?

カードで渡すなら、メッセージの最後に日付と名前を添えると、何年か経って読み返したときの手がかりになります。送るタイミングは、二人がゆっくり読める時間を優先して大丈夫です。

プレゼントにカードを添えるなら、文面は数行のメッセージと同じで構いません。手書きにすると、それだけで改まった印象になるので、言葉はふだんより少し短めでも十分に届きます。

最後に、書いた日付と自分の名前を入れておきます。カードは手元に残りやすいものです。何年か経って見つけたとき、日付があれば、その頃の二人を思い出す手がかりになります。

送るタイミングに、正解はありません。日付が変わった瞬間に送りたい人もいれば、相手が寝ている時間を避けたい人もいます。

  • 日付が変わった直後に、一言だけ送る
  • 朝、相手が起きる頃に、数行のメッセージを送る
  • 当日に会うなら、カードを手渡しして、メッセージは短くする

迷ったら、相手がふだん何時ごろ連絡を見ているかを思い出してみてください。いちばん早いことより、ゆっくり読んでもらえることのほうが、出来事とありがとうを添えたメッセージには合っています。

手紙として一枚にまとめたいときは、彼女への手紙の書き方で、書き出しから結びまでの順番を詳しく紹介しています。相手が彼氏でも、同じ順番で書けます。

まとめ

彼氏への誕生日メッセージは、「おめでとう」のあとに、この一年で彼がしてくれたことを一つと、「ありがとう」を添えると書きやすくなります。

一言なら出来事を一文でつなげ、数行なら出来事・ありがとう・小さな願いを一行ずつ置きます。感謝が照れくさいときは、伝える側は相手の嬉しさを低く、気まずさを高く見積もりやすいことを思い出して、一行だけ書き足してみてください。

今年の誕生日は、いつもの「おめでとう」に、今年のありがとうを一つ。その一行から、二人にとっての一通が始まります。

[^1]: Kumar, A., & Epley, N. (2018). Undervaluing gratitude: Expressers misunderstand the consequences of showing appreciation. Psychological Science, 29(9), 1423–1435. https://doi.org/10.1177/0956797618772506